2014.
01.
28


この島には、ミクロネシアン・ミツスイという赤い小鳥が住んでいる。実はここがスタートして、一つ物足りない部分があったのだ。南国特有の赤い色が無いなという。なにせ珊瑚だけでできた島。ハイビスカス等の花が育つには、圧倒的に不利。植えてもすぐに枯れてしまう。唯一咲いている花は白。水辺にやってくる鳥のサギやアジサシも白・・・。
そんな中、3年目ぐらいからようやくこの鳥が島に巣をつくり定住してくれた。これはほんと嬉しかった。まさに「紅一点」! 赤い色がとても島に映え、今では小粒ながらもピリリと辛い、なくてはならない存在だ。鳴き声もとても艶やかで美しい。
そしてある日の夕暮れ時。聴いていたCD(ヒーリング・ボサ 佐藤正美)が,
とても耳に心地良かった。スタンダードナンバーを、アコースティックギターでボサノバ風にアレンジしたもの。 その中の一曲が特に哀愁と深みがあって、この島にぴったりと合ったのだ。そのタイトルが、「いそしぎ」だった。
現地の吉田氏と二人で大いに盛り上がり、これはまさにジープ島のイメージだねっていう事で、 晴れて島のテーマ曲?に。
『ところで、いそしぎって何のことだろう?』。即刻日本に戻り調べてみたら、古い映画のタイトル(サンドパイパー)だった。 さっそくビデオSHOPで借りてきて見ると、これがなかなかシットリとした、いい映画。
舞台はアメリカ西海岸のモントレー。憂いを持った、美しい港町だ。内容は、とある女流画家(エリザベス・テーラー)と、平凡な牧師(リチャード・バートン)との、淡く切ない恋を描いた作品。 「いそしぎ」とは、イソ(磯)に住むシギ(鳥)のことだったのだ。 隅っこにいる目立たない、とても地味な鳥。 でも既成概念に囚われない「自由さの象徴」として、この映画では描かれていた。ん~、この地味な鳥の名前をタイトルにするトコロが、粋だなぁと。
この島には、金のかかっているゴージャスなものは何もない。 ほんと、無人島に簡素な小屋を建てただけ。 ただ人工的な物が少なく地味であればあるほど、豊潤で恵み多き大自然の中では居心地がいい。それをこの島は教えてくれるのだ。だからこの「いそしぎ」が、更に自分の中で島のテーマソングに相応しいと思うようになった。
そんな11年目のある日のこと。ボートダイブから帰ってきた昼下がり。 頭の中は、「ポカ~ン!」と、限りなく空白だった。 ふと、犬のビキニがビーチを走っていくのが見えた。 現地スタッフのリペルが、浪打際で何かを拾っているようだった。
こんな「無為な時間」が、とても心地いい。ガイドのナミも、うたた寝している。
その時、ビーチをちょこまか歩く地味な鳥を見かけた。
!!!なんと「いそしぎ」だった!
なんて言うんだろう、この時の気分は・・・。 ただ、「この島によく来てくれたねぇ」かなぁ。「運命」とも違う、「偶然」とも違う、この島、この鳥らしく、 ただただ普段着でさりげなく。
陽も傾き、海に美しい斜光の粒を降らせる静かな午後。 ふっとラジカセにCDを入れ、例の「いそしぎ」の曲を波音にかぶせてみる。 そして、夕暮の朱が少しずつあたりを染め始める。いそしぎもまだその辺りを歩いている。何もかもが満ち足りていた。 では、本格的に飲むとするか。
この鳥がこの島にやって来た事に、とりあえず乾杯!
今までも来ていたのかもしれない。でも余りにも地味で、ひっそりと砂浜をチョコチョコ歩いているので、ほとんど気にも留めなかったのだろう。でもこれはこれで、ある種の「シンクロニシティ(共時性)」。意識したとたんに見えてくるという・・・。
ミツスイが明るい「陽」なら、イソシギは渋~い「陰」。南海の楽園とも言えるこの島だけど、実に様々な表情を持っていて、太陽がかげり雨が降ってきた時に見せるアンニュイな表情も、またいい。
僕はよく、『一瞬で落ち着いたパリのカフェのようになる』と人に言う。大自然の中にポツンとある島だからゆえ、地球の表情を手に取るように感じられるのだ。
まさにジープ島はこの映画の主題歌のタイトル、「ザ・シャドウ・オブ・ユア・スマイル」。どうです、そんな気分、感じられました? 明るい島の笑顔の中に、ときおり現れる静かなる影。ん~、やはり奥の深いこの島のテーマ曲に相応しい。
そんな中、3年目ぐらいからようやくこの鳥が島に巣をつくり定住してくれた。これはほんと嬉しかった。まさに「紅一点」! 赤い色がとても島に映え、今では小粒ながらもピリリと辛い、なくてはならない存在だ。鳴き声もとても艶やかで美しい。
そしてある日の夕暮れ時。聴いていたCD(ヒーリング・ボサ 佐藤正美)が,
とても耳に心地良かった。スタンダードナンバーを、アコースティックギターでボサノバ風にアレンジしたもの。 その中の一曲が特に哀愁と深みがあって、この島にぴったりと合ったのだ。そのタイトルが、「いそしぎ」だった。
現地の吉田氏と二人で大いに盛り上がり、これはまさにジープ島のイメージだねっていう事で、 晴れて島のテーマ曲?に。
『ところで、いそしぎって何のことだろう?』。即刻日本に戻り調べてみたら、古い映画のタイトル(サンドパイパー)だった。 さっそくビデオSHOPで借りてきて見ると、これがなかなかシットリとした、いい映画。
舞台はアメリカ西海岸のモントレー。憂いを持った、美しい港町だ。内容は、とある女流画家(エリザベス・テーラー)と、平凡な牧師(リチャード・バートン)との、淡く切ない恋を描いた作品。 「いそしぎ」とは、イソ(磯)に住むシギ(鳥)のことだったのだ。 隅っこにいる目立たない、とても地味な鳥。 でも既成概念に囚われない「自由さの象徴」として、この映画では描かれていた。ん~、この地味な鳥の名前をタイトルにするトコロが、粋だなぁと。
この島には、金のかかっているゴージャスなものは何もない。 ほんと、無人島に簡素な小屋を建てただけ。 ただ人工的な物が少なく地味であればあるほど、豊潤で恵み多き大自然の中では居心地がいい。それをこの島は教えてくれるのだ。だからこの「いそしぎ」が、更に自分の中で島のテーマソングに相応しいと思うようになった。
そんな11年目のある日のこと。ボートダイブから帰ってきた昼下がり。 頭の中は、「ポカ~ン!」と、限りなく空白だった。 ふと、犬のビキニがビーチを走っていくのが見えた。 現地スタッフのリペルが、浪打際で何かを拾っているようだった。
こんな「無為な時間」が、とても心地いい。ガイドのナミも、うたた寝している。
その時、ビーチをちょこまか歩く地味な鳥を見かけた。
!!!なんと「いそしぎ」だった!
なんて言うんだろう、この時の気分は・・・。 ただ、「この島によく来てくれたねぇ」かなぁ。「運命」とも違う、「偶然」とも違う、この島、この鳥らしく、 ただただ普段着でさりげなく。
陽も傾き、海に美しい斜光の粒を降らせる静かな午後。 ふっとラジカセにCDを入れ、例の「いそしぎ」の曲を波音にかぶせてみる。 そして、夕暮の朱が少しずつあたりを染め始める。いそしぎもまだその辺りを歩いている。何もかもが満ち足りていた。 では、本格的に飲むとするか。
この鳥がこの島にやって来た事に、とりあえず乾杯!
今までも来ていたのかもしれない。でも余りにも地味で、ひっそりと砂浜をチョコチョコ歩いているので、ほとんど気にも留めなかったのだろう。でもこれはこれで、ある種の「シンクロニシティ(共時性)」。意識したとたんに見えてくるという・・・。
ミツスイが明るい「陽」なら、イソシギは渋~い「陰」。南海の楽園とも言えるこの島だけど、実に様々な表情を持っていて、太陽がかげり雨が降ってきた時に見せるアンニュイな表情も、またいい。
僕はよく、『一瞬で落ち着いたパリのカフェのようになる』と人に言う。大自然の中にポツンとある島だからゆえ、地球の表情を手に取るように感じられるのだ。
まさにジープ島はこの映画の主題歌のタイトル、「ザ・シャドウ・オブ・ユア・スマイル」。どうです、そんな気分、感じられました? 明るい島の笑顔の中に、ときおり現れる静かなる影。ん~、やはり奥の深いこの島のテーマ曲に相応しい。

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