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2014. 11. 16  
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 実はこのタイトル、20年前にパラオを潜った時に閃(ひらめ)いたワードなのだ。それは今も忘れられない1本・・・。

 ブルーホールからエントリーし、洞窟を見た後、ずっとコーナーまで流した。魚が少なく、ちょっと単調になる事が多いコースだが、その日は珍しく特別に良かった。次々と外洋の青いスクリーンに現れては消え、また現れては消えていく回遊魚の群れ。それはウメイロであったり、タカサゴやハナムロであったり。それが幾重にもファンタジックに重なり合う。
 そこにアクセントを付けるようにサメが現れたり、イソマグロが通り過ぎる。壁側には、アカモンガラやカスミチョウチョウウオがユラユラと揺らめいていて。。
 それらを包み込むような深い青のドロップオフ。深遠なる崖。そのキワをゆっくりと流していく。命綱を着けないで宇宙遊泳をしているような気分だ。そしてラストは、コーナーでバラクーダの渦の中にすっぽりと入り、巻かれながらエギジットするという、それはそれは「ドリーミー」な1本だったのだ。
 全てが幻のように、青い銀幕の向こう側を流れていく。もう一つ別の宇宙がその先にあるかのように・・・。

 起承転結がしっかりとしていて、最初から最後まで、まるで映画のスクリーンの中に入り込んでしまったかのような、完璧な一本! その時ふっと思い付き、ずっと暖めてきたこのタイトル。それをここで使ってみようかと。

 思えば、とにかく「海の世界」に魅せられ、ダイビングをしまくってきた人生だった。「だった」というのは少しおかしいかな。これからもずっと潜り続けたいし、僕はダイビングというのは一生できるものだと思っているし、またそうしたい。
 ただ30代の、あの熱に浮かされたように世界中を潜りまくった時期というのは、やはり特別なものだったように思う。ある種の「祭り」のような。。
 陸上の世界よりも遥かに生命力に溢れ、エキサイティングで、エリアごとに表情を変える海の世界。その生態系の違いを見るだけでも、楽しくてしょうがなかった。それは「地球」というものを、全く違った視点で観察できるからだ。
 そのアナーキー性、オルタナティヴな感覚、SF的イマジネーションの世界に、自らがどんどん引き込まれていったのだ。

 ダイビングを始めて28年。大きく分けて2つの時代があった。とにかく世界中の海を「これでもか!」と潜った15年。5年ほどオーバーラップしながら、ジープ島(トラック&キミシマ環礁)の海に腰を落ち着け、じっくりと潜った18年間の時代。それは今も続いている。それだけこの海域が総合力に優れているからだ。
 そして今、自分のベクトルとして、また新たな時代が訪れている事を実感する。第3期と言ったらいいのかな。そのポイントは、全く未知の知られていない海域を、自分の手で開拓してみたいという事。

 そして今も、このキミシマ環礁が熱い!!

 僕も「外洋系ダイバー」を自認するだけに、ドロップオフのダイナミックさが一番好きだ。ダイビングの醍醐味とも言える。今までも様々なドロップを潜ってきたが、このキミシマはそのどれとも違っていた。
 一言で言うなら、「独特の青への誘いの、深くとも異常に明るく陽気なムード」があるのだ。こればっかりは「ムード」としか言いようがない。この「超越的なブルー」は、たぶん天気が恵まれた時にしかこの環礁へは行けず、それがそのままこの「青のキミシマ」として、伝説のようにこの地に横たわっているからだろう。

 そしてもちろん、様々な魚達とのシーンにも遭遇できる。例えば、ギンガメ、バラクーダ、カマス、ツムブリの群に巻かれ、イソマグロ、カスミ、イーグルレイの編隊を左目で追い、リーフシャーク、ナポレオン、タートルを右目で押さえるような。 まさにジェットコースターに乗っているかのように。。
 更にナポレオンの親子の大行進、2mを超える巨大ハタ、運が良ければ、マンタ、ジンベイ、ブルーマーリンとも遭遇できる。

 その日は朝から快晴。 『今日はキミシマに行ける!』 もうそれだけで、体の芯からエネルギーが沸々と沸き上がってくるのだ。 この先の「遙か彼方」へ。外洋を隔てた、あの幻のように横たわる環礁へ、いざ、挑まん!!

 滑るように舟が走り出す。肉体は既に戦闘マシーンになるべく、スイッチが入った。 外洋を越え、キミシマの海域に入る。いつ来ても、ここのムードは血湧き肉踊る。今回は僕が一番好きなベスト大物ポイント、「ブルーチャネル」。光が底のただ1点に向け放射され、神秘の青へといざなわれる。

 潮の流れを見る。しばし緊張が走る。。素早く器材をセットする。ガイドが海に入って中の様子をチェック。OKだ! 
 ド~ンとエントリー! 『お~っ! イントゥー・ザ・ブルー!! 』 いきなり、イソマグロが顔を出した。ウメイロモドキが通り過ぎ、ハナムロが、矢のように流れていく。更にカマスの大群だ!  

 既に「思考」というものはない。あるのは、研ぎ澄まされていく感覚と、ギリギリの生存本能・・・。何処からともなく、サメが姿を現した。オグロメジロザメだ。 深いブルーの中で、それはとにかく美しい。流れるようなシェイプ、無重力のような泳ぎ、そして冷たい野生そのものの気配。カマスの群れの周りを旋回し、捕食のタイミングを伺っているようだった。
 今度は、向こうの方に何かがいるようだ。ギンガメアジの大群だ!『よっしゃー、こうでなきゃ、ブルーチャネルじゃない!』 慎重に接近する。比較的棚が浅くて、明るいムードがここの特徴。この魚の群で、視界を全て覆い尽くされた。

 この迫力、この密度、この美しさ! これぞ、ブルー・ドリーム!! この青は、一生脳裏に焼き付いてくれるだろう。

 地上の希薄な青とは違う、鮮やかな水中の青。夕焼や朝焼が、たき火や残り火のように低温の赤い炎の「まどろみ」であるなら、水中の青は、高温のガスの炎のように瞬発力のある「驚き」の青だ。それは脳髄の最も奥深い所にある記憶の回路にすら点火する、「覚醒の炎」のような青なのだ。
 若い恒星の集団である、青く燃えさかる「昴」のように・・・。

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プロフィール

三輪アキラ

Author:三輪アキラ
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 JEEP島プロデューサーとして、この「究極の癒しの島」を、スタート時から17年の長きに渡ってプロモートし、日本中の人達に紹介している。
 専門は「旅」に関する広告関係を専門に扱うアートディレクター&アドバイザー。企画プランニング、写真撮影、文章、デザインから、印刷&web制作まで、幅広くトータルにクリエイティブのサポートをしている。

 元々、JTB&JRの宣伝を扱う広告代理店に所属していたのだが、独立して(有)ギルマンという広告プロダクションを設立し現在に至る。とにかく旅が好きで、海外旅は120回以上に及ぶ。
 特にダイビングはプロ級。27年以上のキャリアで2000本以上潜り、「海」を特に得意分野としている。

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