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2014. 11. 25  
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 「夏の朝の成層圏」 このタイトルで「ピン!」ときた人は、なかなかの通ですねぇ。そう、池澤夏樹氏の初期の小説のタイトル。
 実は18年前、この島に通い始めた時から、この小説で語られている世界が現実の旅とオーバーラップし、いつでも僕の心の片隅に有り続けるのだ。バイブルとまではいかないにせよ、ふっと小説の主人公「ヤシ」になり変わっていくような。。

 知らない人が大半だと思うので、少し紹介してみよう。中公文庫で1990年初版発行。そのカバーの解説を借りると、

「不慮の事故で遭難し、漂着した南の島での生活。自然の試練にさらされ、自然と一体化する至福の感情。それは、まるで地上を離れて高い空の上の成層圏で暮らすようなものだった。暑い、さわやかな成層圏。やがて、夢のむこうへの新しい出発が訪れる
──青年の脱文明、孤絶の生活への無意識の願望を美しい小説に描き上げた長篇デビュー作」


 そしてこの小説の舞台が、まさにジープ島のあるミクロネシアの海域の東、クワジェリンの近くあたりを想定していたのだ。無人島に流れ着いた一人の青年の心の機微を、爽やかに唄いあげたような内容。興味のある方は是非読んでみて下さいねぇ♪

◇ ◇ ◇

 早朝、海から運ばれてくる風の、なんと心地いい事。ちょっぴり湿り気を帯び、潮の香りを含んでいる。それは次から次へとやってくる雲をも運び、上空を通り過ぎていく。
 その360度見渡す限りの空を、ただ眺めているだけでいい。時には太陽のいたずらのように虹を現出させたり、ポツリポツリと雨をもたらしたり、空を美しく茜色に染めあげてくれたり・・・。

 ただここに居て、ぼんやりと空と対峙している事。それだけで充実感がこみ上げてくる。それはまさに雲の上の成層圏に、フワフワと浮かんでいるような感覚なのだ。
 ここはいわゆるモルディブのような「普通のリゾート」ではない。限りなく「無人島」に近い。だから故、その気分に近づけるのだろう。

 ふと見ると、昨夜飲んだウイスキーのボトルがスコールに濡れ、砂の上に転がっている。それは不思議と、一つの象徴的なシーンを見るかのようだった。タイトルを付けるとしたら、

【そしてボトルは空に・・・。】

 それは「漂流と空白と祝祭」の象徴のようにも見える。 そして、「人生の漂白としてのオブジェ」そのものなのだ。

 それにしても、何故これほどまでに、この島には空のボトルが似合うのだろう? それ自体が語りかけてくるように・・・。そのヒントは「ボトルシップ」にあるような気がする。 あの空のビンに船の模型が入ってる。「ボトルレター」もそうだな。

 酒のボトルには「漂流」のイメージがある。 流されて波打ち際に横たわるボトルには、どこから流れ着いたのだろう?と、 想像力をかき立たせる。そして酒が残っていても空であっても、それはすなわち時間の象徴だ。
 沢山のものを見、感動し酒を飲み、語り、笑い。。 そういった時間の流れを、ボトルが静かに語ってくれるからなのかもしれない。記憶のレクイエム・・・。

 1日の中には2回、魔法がかかったような時間がある。 1つは夕暮、そして早朝だ。夕焼の朱と朝焼の朱の移ろい。原理は同じだけど、一方は夜を迎え一方は朝を迎える。夕暮れが満ち足りたまどろみの象徴であるなら、早朝はアンニュイでいながら、どこか研ぎ澄まされている。
 僕はこのシュールな時間が、とりわけ好きだ。エッジが立った、感覚的な時間帯だから♪

 潮が引き、島の周りにビッシリと群生するサンゴ達が顔をのぞかせる。島の周りが全てサンゴの庭。まるで色とりどりの花畑が突然現れたかのように。。
 ふっとこの時、陸と海の境目がとり払われて、不思議な気分に浸る。海がとっても身近に感じられるのだ。

 そして誘われるように海に浸かり、ゆっくりと沖へ泳いでいく。本能のおもむくままに。『僕達生物は、全て海からやってきたんだよ』と囁かれているかのように・・・。


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プロフィール

三輪アキラ

Author:三輪アキラ
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 JEEP島プロデューサーとして、この「究極の癒しの島」を、スタート時から17年の長きに渡ってプロモートし、日本中の人達に紹介している。
 専門は「旅」に関する広告関係を専門に扱うアートディレクター&アドバイザー。企画プランニング、写真撮影、文章、デザインから、印刷&web制作まで、幅広くトータルにクリエイティブのサポートをしている。

 元々、JTB&JRの宣伝を扱う広告代理店に所属していたのだが、独立して(有)ギルマンという広告プロダクションを設立し現在に至る。とにかく旅が好きで、海外旅は120回以上に及ぶ。
 特にダイビングはプロ級。27年以上のキャリアで2000本以上潜り、「海」を特に得意分野としている。

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