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2014. 02. 04  
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 多くの水中生物の中でも、とりわけ興味をそそられるのは大型のエイたちだ。エイは英名で「RAY」。これがエックス線(X-RAY)などの光線と同じ綴りだと知った時、不思議な触感とイメージを得たのだった。「イーグルレイ」、そして「マンタレイ」。この2種のRAYの透過光のような、その残像を焼きつけてみよう。

 X線が肉体を貫通するのであれば、深いブルーの中でこれらのRAY達は、視界と意識の中を透過していく。可視光線の外側とは見えるものであり、存在とは意識の残像であり、あるがままに見た光景が最も力強いシュールな映像であることを教えてくれる。

 X-RAY・1、イーグルレイ。昔から一番興味のある水中生物だった。ゆっくりと羽ばたき遠ざかる姿は、まさに水中を飛んでいる「鳥」を思わせる。背中の黒地に刻まれた白い斑点模様が、海の中ではひときわ鮮やかに映る。

 カレントの流れに乗りながらゆっくりと進むダイバー達。それをあざ笑うかのように、アゲインストの方角から水の抵抗を感じさせず、眼の前を悠然と通り過ぎていく。いきなりサメを威嚇するかのようにスッと動いたかと思うと、パッと身をひるがえし、獲物を求めて飛翔する。そのマッハのスピードがつくりだす残像の不定形は、ブルーを切り裂く「X線」のごとく!
 水は大気の一種であると思わせる音のない羽ばたきの中に、獲物をねらうハンターの風格すら感じさせられる。

 かつてカールセーガンが、アンモニアの海の中に潜む木星の狩猟生物を唱えた事があったが、その究極のファンタジアを彷彿させるものがある。
 島のハウスリーフにも時折やってくる。でもできたら、キミシマの深淵なる青の世界で、その姿を目に焼き付けたい。

 X-RAY・2、マンタレイ。すぐに思い出すのは、パラオのジャーマンウォールでの遭遇。これは一生脳裏に焼き付けられるものとなった。第6感とは確かに存在する。透明で深く青い空間の中での3体の飛行は、やはり胸さわぎの後にやってきた。その大きさといい、黒檀色の輝きといい、全てを制する力が彼らにはある。B2ステルス機のように、このRAYの飛行には、イーグルレイとは全く違う水の重い密度を感じさせられる。

 ゆっくりと羽をうちおろし、光の模様を巨大な背中に映し出しながら。羽ばたく水の流圧を心地良く全身に浴び、程良いスピードでどれくらい彼らと平行して泳いだろうか…。永遠の時の流れを感じ、まさに遙か彼方(彼らの住む世界)へのいざないだった。最後は当然理性との妥協なのだが、僕のダイブ暦の中でも最高の白熱ライブだった。

 マンタは、このトラック&キミシマ環礁にも生息している。「見た!」というダイバーも多くいる。でも残念なことに、僕はまだこの海域では遭遇していない。いい意味で開発の遅れているこのエリア。でも、これはこれでいい。この先、少しずつ遭遇しやすいポイントも発見されていくだろう。いつの日か、ここでマンタに会えることを願って……。 

 自分にとっては、「どう出会い、どういうシチュエイションであったか」が、一番重要なポイントだ。マンタは色々なエリアにいる。そして、クリーニングステーション(遭遇しやすいポイント)での「箱」に入った水中観察も、来ることが分かっているので意外性は少ないが、それはそれで楽しい。ただ最も重要なのは、出会う状況そのものの「感動的なドラマ性」ではないだろうか。

 ケニヤに野生動物を見に行ったときも、「シチュエイション」の重要性をつくづく感じた。「危険だから」という鉄のくさりに縛られ、サファリカーの上からちょこんと顔だけ出し、ただ動物たちの昼寝をのぞくといった状態ではやはり飽きたらない。しかも双眼鏡越しでは、ライブ感が非常に少ないのだ…。

 で、ある時こんな事があった。バルーンサファリに参加したあと、キャンプ地まで車で帰る時の事だ。地元のレンジャーがライフルを背負い、『俺は歩いて帰る』と。その時、よほど僕がうらやましそうな顔をしていたのだろう。『一緒に来るか?』と声を掛けてくれたのだ。どこにライオンなどの猛獣が潜んでいるか分からない土地だ。銃も持たず、手ぶらで歩くわけにもいかない。これは「渡りに船」と、即座にうなずいた。

 危険を小脇に抱え、アフリカの大地を自分の足で踏みしめ歩いた状況に、よりリアリティを感じざるをえない。その道程の感触は、未だに体の芯がくっきりと覚えている。
 ヘルツォーク監督のアマゾンの映画「アギーレ神の怒り」のように、刻々と時を刻む流れていく映像。それに非常に近い、とても印象深かったボートサファリ。船の動きとともに鳥が飛び立ち、魚が跳ね、カバがのっそりと顔を出すライブのシーンもとても良かった。要は自分がどこまで現場に溶け込んでいるかが肝心だ。

 ライオンやチーターが獲物を追う姿は美しい。動物が走る姿を見るのは最高の贅沢だが、シマウマと一緒に人間が平行して走るわけにもいかない。空気中の大気の下では、一瞬で大ケガに結びつく。だから故、つくづくダイビングの状況演出としての素晴らしさを感じる。ふところの深い無重力の、全てを優しく包み込んでくれる海の中。であるからこそ、僕らは彼らのそばに近より、一緒に泳ぐ事ができるのだ。
 こうも言える。ダイブするとは、「地球の水中生物達と一体となって生を謳歌する事」だと。

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プロフィール

三輪アキラ

Author:三輪アキラ
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 JEEP島プロデューサーとして、この「究極の癒しの島」を、スタート時から17年の長きに渡ってプロモートし、日本中の人達に紹介している。
 専門は「旅」に関する広告関係を専門に扱うアートディレクター&アドバイザー。企画プランニング、写真撮影、文章、デザインから、印刷&web制作まで、幅広くトータルにクリエイティブのサポートをしている。

 元々、JTB&JRの宣伝を扱う広告代理店に所属していたのだが、独立して(有)ギルマンという広告プロダクションを設立し現在に至る。とにかく旅が好きで、海外旅は120回以上に及ぶ。
 特にダイビングはプロ級。27年以上のキャリアで2000本以上潜り、「海」を特に得意分野としている。

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