--. --. --  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2014. 11. 08  
無題 (2) (240x160) 1 (240x159)

 水平線の上に、ポッカリと丸い月が出ていた。それはふだん見る月とは明らかに違い、力強く、そして優しく微笑んでいるような表情をしている。
 ふっと誘われるように砂浜まで歩いていく。回りの雲を、その光で絵画のようなマチエールで浮かび上がらせ、水面に神秘的な「波の光=月の道」を映し出している。

 なんて美しいのだろう…。

 それは現実の光景とは明らかに違う、何かもう一つ別の次元の世界のように感じられる。例えて言うなら、「心の中の光景」のような…。

 そっと目を閉じてみる。わずかに聞こえる波の寄せては返すリズム、サラサラと椰子の葉が風にそよぐ囁き、小鳥や小動物達のかすかな鳴き声、珊瑚のカケラが触れ合う音色、そして心の中にある無数のメロディ。
 それらをまるで天上の指揮者のように、優しい光で奏でているような気がしたのだった…。

 ムーン・サウンド。今宵、ゆっくりと「月の調べ」を聴くとしよう。

◇ ◇ ◇

 満月の夜は特別な夜。月が第二の太陽のように島を照らしてくれる。砂浜で波がキラキラと輝く海を眺めていると、何か海の方から『おいで、おいで』と誘われているような気がしてきた。
 『この明るさなら、充分シュノーケリングできちゃうなぁ』
 元々、筋金入りのダイバー。幾度となくナイトダイビングは経験しているので、夜の海に対しての恐怖心は全くない。逆にスキューバの装備を付けなくていい分、とても安全だろう。

 『行くか!』 何人かの猛者の仲間達とマスクを付けて海に入っていった。

 『明るい!』 月の光で、水中ライトもいらないぐらいの明るさだ。底が白砂なので、なおさら幻想的にボ~っと大地が発光しているかのようだ。熱帯の海なので暖かく、優しく全身を羊水のように包み込んでくれる。

 その時だ! 泳いでいる体の回りをキラキラと光の粒が乱舞し始めたのだ!! すぐに夜光虫だと分かった。夜、日によっては、島の回りに大量に発生する。それは以前から僕の大好きな、この島の一大イベントだった。波打ち際で足をバシャバシャすると、まるで花火のようにパチパチと青白く発光するあの夜光虫・・・。
 潮の流れ具合で、全く発生しない日もあるし、大量に流れ着き、まるで祭りような光のページェントに包まれる夜もある。それがこの日、島のハウスリーフに大量に現れたのだろう。

 水中で腕をグルグル回してみる。その腕の回りでパチパチと光り輝く。 『凄い、凄い!』
同行した仲間達を見ると、人型を包む、まるで不思議な発光体のように光り輝いている。
 タンクを叩く金属棒を振ると、さながら光のシンフォニーを奏でるオーケストラの指揮者になったかのようだ。

 貴重な体験だった・・・。昆虫のホタルの光は呼吸するようにゆっくりと点滅する緑色の光なのだけど、これは完全に青白い。それも閃光のように光る!
 生命の光り、命を持った光。まさに大自然の神秘!!
 このシーンは、「宇宙的光景」とでも言ったらいいのだろうか。。地球上のどのシーンとも違う、どこにもない、生命を持った光が織り成す、ノスタルジックでもあり官能的で、優しく切ない程いとおしい光景であった・・・。

 更に頭上には、海面を照らす満月の柔らかい光。スッと5mほど潜り、仰向けになって海面に映る満月を水中で眺める。なんて幻想的なシーンなのだろう。
 そのまま何もしないで、ゆっくりとした浮上に身をまかせる。
 まるで昇天していくかのように・・・。
天上の水の幕に映る月。そして腕の回りの夜光虫のキラメキ。この星が、もう一つ別の惑星に感じられる様々なビジュアル。その日、僕らは確かに「奇蹟」を体感したのだった。

 僕は最初の上陸の時から、「ジープ島の世界」と「ピーターパンの世界」が、イメージとして重なっている。幼少の頃からディズニーの中でも一番好きだったこのアニメの世界。ファンタジックで、何とも言えずワクワクするこの冒険ワールド。

 例えばハウスリーフの上層を底を眺めながらスキューバで泳ぐと、あたかも空を飛んでいるかのような気分になれる。これは例の夜の街を飛んでいるシーンと重なるし、島の周りは海賊フックも出てきそうな未知の冒険がいっぱいだ。
 そして何よりも夜、満天の星の下で、野性味たっぷりの島のシルエットが浮かび上がる様は、ほんとにそのイメージそのもので、ゾクゾクしてくる。
 更にこの夜光虫は、ティンカーベルに「金の粉」をかけられる、まさにあのシーンだ!

 ピーターパンの島、ジープ島。更なる冒険を求めて、いざ!!


01 (496x369)


NEXT Entry
第27話★青い銀幕の向こう側の宇宙 【究極のダイブシーン】
NEW Topics
★当ブログについて
★終わりに 【当ブログの見方】
★エピローグ 【潮流に身をまかせて】
第24話★空中浮遊を感じる時 【究極の絶景:鏡の水面】
第23話★遥かなるピサモエ 【唯一無二のジープの姉妹島】
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

三輪アキラ

Author:三輪アキラ
-
 JEEP島プロデューサーとして、この「究極の癒しの島」を、スタート時から17年の長きに渡ってプロモートし、日本中の人達に紹介している。
 専門は「旅」に関する広告関係を専門に扱うアートディレクター&アドバイザー。企画プランニング、写真撮影、文章、デザインから、印刷&web制作まで、幅広くトータルにクリエイティブのサポートをしている。

 元々、JTB&JRの宣伝を扱う広告代理店に所属していたのだが、独立して(有)ギルマンという広告プロダクションを設立し現在に至る。とにかく旅が好きで、海外旅は120回以上に及ぶ。
 特にダイビングはプロ級。27年以上のキャリアで2000本以上潜り、「海」を特に得意分野としている。

カテゴリ
カウンター
最新トラックバック
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。